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カカオを探す旅 ビンフオック


昨年末からのカカオの不作や価格高騰のニュースは日本でもニュースになっているようです。


日本の知人からも、

「ベトナムは大丈夫なんでしょう?」

「価格が上がって事業(カカオ農園)にとっては追い風?」等、連絡をもらいます。


カカオのニュースで私たちを思い出してくれるのはありがたいことです。ただ、実際のところ、追い風どころか、厳しい状況が続いています。


BINONのカカオ農園は3ha程度の規模で、まだ木は5年目です。収穫量は少なく、私たちのチョコレートはサバン村の周辺農家さんの協力がなければ成り立ちません。


そのためにBINONの協業農家として、品質の高いカカオ豆を高値で買い付け、豆を作るために必要な道具を供給し、一緒に良いカカオ豆を作る等の取り組みをしてきました。



しかし最近では、品質や価格に関わらず「カカオが無い」という状況が出てきています。カカオの収穫期を迎えるとはいえ、現在、お客様の注文に応えられるだけの量が確保できておらず、不安な日々です。


そこで、私たちは新しい買付先を探すために、ビンフオック省のカカオ農家さんを訪れました。



実際に現地の農家さんと顔を合わせて話をすることで、彼らの思いを聞き、栽培環境やカカオの品質をチェックします。これは私たちにとって、とても大切なプロセスです。


ホーチミン市から車で約5時間のホアルー村では、トアさんという農家さんとお会いしました。


とうもろこしが、まるで装飾のようできれい!



農園をはじめて14年のバリアブンタウやベンチェと比べると若い農園です。



今年の9月は雨が多く、収穫はほとんどダメだったそうです。


カカオ豆の香りや風味やカットテストでのチェックをします。



トアさんは、「昨年まではダクラクのバンメトートの仲買人に販売していたけど、今年になって急に、中国や外国からもカカオ豆を売って欲しいと訪ねてこられるようになった」と仰ってました。


私達も購入したかったのですがカカオ豆の風味が求めているものと少し違ったので、

他の農家さんを探しながら歩きました。


そこで出会ったのがハンさん。



ハンさんの農園もカカオを始めて13年、もともともはカシューナッツと胡椒をしていた土地で、カカオを始めたそうです。


こちらの農園はカカオがたくさんできていました。


ハンさんとのトークタイム



「ビンフオックのカカオの歴史はまだ浅い」


2005年から、ビンフオック省は海外の支援プロジェクトを通じてカカオ栽培を強化しました。

アメリカ政府が資金提供したベトナムの小規模農家向けのカカオ開発プロジェクトにより、カカオの接木と栽培技術の提供、農業推進メンバーの能力向上が実施されました。


2010年には、「Roots of Peace」による持続可能な農業開発プロジェクトがはじまり、ビンフオック省のカカオ栽培の拡大を後押ししました。


2011年には、ビンフオック省農業・漁業推進センターが、中央予算を使って、カシューナッツ農園にカカオを植える促進プロジェクトもはじめました。


2020年までに総栽培面積を20,000haに拡大するという大きな目標をたてたものの、実際には難しく、今も約1,500ha程度にとどまっていて、小規模農家がそれぞれお自宅の土地で栽培して発酵、乾燥までおこなっている事がほとんどです。


ハンさんの家でも自分の土地でとれたカカオを自分で発酵しているそうです。バリアブンタウでは、小規模農家が収穫したカカオフルーツを集約してまとめて発酵しているので、そこにカカオ豆の品質や価格に違いが出てきそうです。



「ビンフオックのカカオは?」


そしてカカオ豆の風味や香り、発酵度チェック。


バリアブンタウやベンチェと違って、どちらかというとダクラクに近い風味です。

酸味が少なくバランスがああります、木や土の香り、キャラメルのような後味、

ミルクチョコレートにするのが良いかもしれません。


皆で食べて、発酵チェックを経て、この品質ならOKだと判断し、商談に入ります。


何キロ譲ってもらえるか。目標は300㎏。

そして今後もBINONのために良いカカオを作ってもらえるかのお話。



希望していた300kgのカカオ豆は既存の顧客に優先され、購入できませんでしたが、なんとかその半分を確保できました。


「既存顧客がいるから」という理由で断られたことは、逆に信頼できる対応だと思いました。



「立派な木の家!」ですよね、そう褒めたのですが、スタッフたちは「昔の家、僕達も皆、貧しかった時はこんな家ばかりだったんだ」と言っていました。


カカオの収穫期が始まるので、なんとか私たちBINONのチョコレート製造に必要な量を集め、日本のビーントゥバーのお客様にもお届けできるように頑張っていきます。


しかし、今年に入ってからカカオ豆の価格は2倍に跳ね上がり、価格だけでなく、そもそもの供給量が減っている状況は非常に不安です。


それでも、私たちは引き続き、農家さんとの協力を大切にしながら、最高のチョコレートやカカオ豆をお届けできるよう全力を尽くしていきます。


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