ベトナムのカカオ豆のフレーバー
カカオの『産地』によって異なるフレーバーを感じるチョコレート、
それがシングルオリジン、BEAN TO BAR CHOCOLATEの醍醐味ですよね。
でも『産地』や『生産者』が同じでも、カカオ豆の味に違いも生まれます。
それはなぜでしょうか?
弊社のベトナムのカカオ豆で考えられることは、
1,発酵と乾燥の工程が違う
2,収穫時期(雨季と乾季)による
3,天候の違い
4,肥料の違い
等があげられると思います。
品種については、他の国では分かりませんが、
ベトナムは基本的には同産地では同品種です。
BINON CACAOが使用するカカオ豆は、ベトナム南東部のバリアブンタウ省エリアのものです。
基本的には提携農家さんから買付けるか自社農園で収穫したカカオポッドを自社で発酵して
カカオ豆にしています。
カカオ豆の風味を決める重要な工程である発酵は温度で管理しています。
発酵日数は温度の上がり具合により5−6日です。
自然発酵をしているので、温度や日数は天候に左右されます。
発酵の後には、天日干しで乾燥をします。
乾燥は、その時期や天候によって、7日〜10日です。
つまり季節やその時の天候により、発酵・乾燥のプロセスが少し異なることで、
カカオ豆の味にも違いが出るということになります。
さらに、カカオは農産物なので結実する季節や天候によっても、
ポッド(実)の大きさ、パルプ(果肉)やその種子(=カカオ豆)の味にも違いが出ます。
では、そのカカオ豆の違いはどんなものでしょうか?
僅かな違いではあるのですが、私達が気づいているのは以下のような違いです。
乾季に作ったカカオ豆は雨季のものよりも酸味が強く、力強いボディ感を感じ、
ベトナムのカカオ豆の特徴が強いです。
また雨季の方はカカオバターの含有量が若干多くなり、甘みが多いように感じます。
雨が少なく日照りが強い乾季は、カカオが一生懸命生きるために燃焼するので、
脂肪分が減っているでしょう。
ちなみに乾季のカカオ豆はカカオバターの含有量が少ないため、テンパリングがとりにくいです。
そういう時は2%くらいカカオバターを追油することで、雨季のカカオ豆に近づきます。
また焙煎した時に皮離れが少し悪い気がしますが、そういう時は、BINONは少しだけ
焙煎温度を上げています。
産地が同じでも、季節や天候によって変わる、その風味の違いを感じて楽しんで頂ければ嬉しいです。
(ビーントゥバー)チョコレートは、自然のものなのだなあ、、と改めて感じて頂ければ。
「追記」
BINONのチョコレートのフレーバーノート
私はBINONのチョコレートの"酸味"をマンゴーのような、また"甘み"を黒糖のような、
と感じます。これは私が感じるフレーバーで表現しています。
味覚の感じ方は人それぞれなので、
酸味を赤いベリー、レーズン、オレンジ等、
甘みをキャラメル、豆乳等、と表現するスタッフもいます。
バリアブンタウのカカオ豆を、日本のビーントゥバーさんにもお届けしていますが、
メーカーさんによって引き出される特徴があり、
同じ70%カカオのチョコレートでも
作り手の個性によって違ったフレーバーやアロマをもつチョコレートになります。
BINONのチョコとも違ったフレーバー。
ビーントゥバーチョコレートは奥深いです。
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